サーフショップを持ちたい
——— この夢が生まれたのは、17歳の時。
京都の下町をぶらぶらしていた時、小さなサーフショップを見つけた。
ショップに置いてあるサーフボードを見て、カッコいい!と思った。
と同時に、将来は自分のショップを持ちたい、という夢が芽生えた。
大学時代は先輩にサーフィンを教わり、波乗りの魅力にもはまった。
卒業後は地元の会社で働いたが、高校時代からの夢を実現したいという気持ちをずっと持ち続け、
全国のサーフショップを巡るが、聞こえないからという理由で弟子入りを断られる。
20数年掛かって、やっと、日本のサーフィンの草分け的存在である
プロサーファー小室正則さん(有限会社MABO ROYAL経営/神奈川県)に、
弟子として受け入れてもらえることになった。
このとき、サーフボード作りの技術を身につけるため、本格的に修業することを決意し、
41歳の春、20年間勤務した会社を退職した。
それから2年間、小室さんの弟子としてサーフボード制作の技術や経営のノウハウを学んだ。
2005年には、サーフボード作りとハワイの文化を学ぶため、現地に6ヶ月間滞在。
そして2007年4月21日、湖西市に自分の店をオープンさせた。
最初の1~2年は、お客さんがなかなか集まらず、一日店を開けていても、誰も来ない日もあった。
どうしたら、聴者のお客さんをひきつけられるのだろうかと悩んだ太田さんは、
ある方法を思いつく。
“そうだ! お客さんに珈琲を飲んでもらおう!”
そして、ハワイの珈琲をサービスすることにした。
お客さんが来たら、まず珈琲を入れ、ジェスチャーで薦め
「ハワイのコーヒーです。どうぞ!」
とメモを見せる。
それから「耳が不自由です。ご用はメモに書いてください」と書いた案内を見てもらう。
すると、サーファーたちと筆談での会話が始まったのだ。
太田さんの笑顔とコーヒーの味がお客さんの心をつかみ、常連が増えていった。
お客さんの一人は、太田さんの笑顔を「日本一の笑顔」と評する。
太田さんの人柄とコーヒーのアイデアが功を奏し、
いま、店はたくさんのお客でにぎわうようになった。
□ ■ □ サーフショップ&ハワイアン雑貨店 Surf House Ota □ ■ □
http://surfhouseota.life.coocan.jp/